2011年12月9日金曜日

スマイルプロジェクト経過報告

-スマイルプロジェクト-
カトリック塩釜教会との交流日記

東京 瀬田教会 GS東京63団 リーダー 小島


≪きっかけ≫
今夏、私たちガールスカウト東京都第63団は教会内でキャンプをしました。
テーマは「祈り」。
シニアスカウトが中心となり、年少スカウトと共に震災で考えたこと、私たちが出来ることを
考えました。 くしくも、63団からも多くのスカウトとリーダーが参加した、(国際カトリックスカウト
協議会(ICCS)第一回世界ジャンボリーinタイに、宮城県塩釜市からも1名のスカウトが参加して
いました。 スカウト達は帰国後も交流を続け、震災時には安否を心配し、無事が確認できた時
には、皆で喜び合いました。
スカウトから、塩釜教会やボーイスカウト塩釜1団にメッセージを届けたいという声が上がり、
教会内の間伐材を使ってキャンドルを作り、一人ひとりメッセージを書きました。












キャンプ最後の夜は震災からちょうど5カ月にあたる8月11日でした。
皆で作った100個のキャンドルに灯をともし、祈りの集いを持ちました。






≪塩釜では≫

その後、6カ月たってもなかなか復興が進まず、皆とても疲れている。
今はため息ばかり、気持ちの明るくなるもの、笑顔になれるものがほしい、とのお話を伺いました。



































―届いたキャンドルを手にする
塩釜教会の侍者の子供たち―






≪スマイルプロジェクト≫
スカウト達のレベルで何か出来ることはないだろうかと考えました。
そこで現地を知るために、麻布教会港5団飯盛、63団諫山、小島は、9月末に仙台、塩釜を
たずねました。
主任司祭であるラシャペル神父様を震災で失った塩釜教会の悲しみは計り知れないものでした。
加えて、教会はカリタスジャパンのボランティアセンターとなり、聖堂には畳が敷かれ、
次から次へとやって来るボランティアの方々が寝泊まりしていて、
教会としての日常は失われていました。
例年クリスマスミサの後に日曜学校の子供たちによる聖劇を行っているが、
今年は出来そうもない、力がない、とのお話に、
人形劇のセットをプレゼントしたら今年も出来ますか?とお尋ねしました。
教会委員長さんは戸惑いを見せながらも、もしかしたら出来るかもしれない、
と快諾して下さいました。

スマイルプロジェクトの始まりです。
教会を訪問した後、塩釜教会佐藤さん、GS宮城県第4団の鹿野リーダーの案内で
被災地を廻りました。悲惨な光景が半年過ぎてもなお、どこまでも広がり、
胸がつぶれる思いがしました。

≪くつ屋のマルチン≫
人形劇はトルストイ原作の「くつ屋のマルチン」に決まり、届ける日程も待降節に入る前の11月20日と決め、準備が始まりました。スカウト活動で繋がりのある成城教会ボーイスカウトにもお声がけをしました。スマイルプロジェクトは成城BSと瀬田GSのコラボレーションプロジェクトになりました。
中学生、高校生スカウトは、それぞれの得意分野での製作が始まりました。
短い期間での製作です。
年少部門スカウトは紙で作ったクリスマスツリーに飾る笑顔をいっぱい描きました。
スカウトばかりでなく、瀬田教会信徒さん、保護者の協力で人形劇セットは無事出来あがりました。

≪塩釜訪問≫
11月20日(日)瀬田スカウト6名、成城ベンチャースカウト2名、リーダー3名、計11名が
人形劇セットを届けに塩釜に向いました。この日はあいにくミサがなかったのですが、
日曜学校の集会はあり、皆が集まって来ました。
塩釜教会は主任司祭が亡くなられたため、仙台司教区に入りました。司教区は7つの教会が属し、
4人の担当司祭と1人の協力司祭で典礼や活動が行われています。そのため、毎週ミサがあるとは限りません。



 















人形劇上演後は、日曜学校の子供たちと一緒にアドベントカレンダーの絵を描きました。




午後からは、町営バス「ぐるりんこ」に乗って塩釜市内をめぐりました。
「ぐるりんこ」は市内をめぐる、住民のための小さなバスです。
塩釜教会永澤さんの案内で、震災時の様子や被災地の今を伺いながら、
今なお被災の爪痕がどこまでも続く地域をめぐりました。















スカウト達の心には
何が写ったでしょう。




≪これから≫
シニア、レンジャースカウトは今、バンド演奏で音楽を届けようと練習に励んでいます。
活動の様子や教会の様子をビデオレターとして撮りためています。
人形劇の第2弾の提案もあります。
塩釜教会日曜学校リーダーが、震災がなければ出会うことのなかった方々に出会えたことが
嬉しい、神様がめぐり合わせて下さったと話してくださいました。繋がっていること、
その絆を途切れさせないこと、それが私たちの願いであり、ミッションであると考えています。
今のスカウト達がこれからの日本を支えていかなければなりません。
そして、スカウト達の支え合いが5年後、10年後の支えとなることを願っています。


≪追加報告≫
瀬田教会の紹介、人形劇制作風景、塩釜教会で上演した様子を港5団飯盛さんが一本のDVDに編集して下さいました。世田谷16団のビーバー・カブクリスマス集会、そしてGS63団クリスマス会に上映する予定です。

以上

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